分散型モデルと個人へのインセンティブ

P2Pや広告の分散型モデルにとって、参加する個人へのインセンティブは重要。以下に成功例を挙げる。

  • Skype: ユーザーが知人と会話できる利便性の代償として、見知らぬ他人のためにPCの処理能力とネットワーク帯域の一部を提供する(スーパーノードまたはリレーノードに選ばれた場合のみ)。Skype社はPC間での会話からは利益を得ない。
  • Winny: ユーザーが欲しいファイルを他人からダウンロードできる利便性の代償として、見知らぬ他人にネットワーク帯域の一部を提供する。開発者の金子氏は利益を得ない。
  • Google AdSense: ウェブページ作成者が広告から金銭的な利益を得る代償として、見知らぬ他人に有益なページを提供する。Google社も広告により利益を得る。
  • Amazonアフィリエイト: ウェブページ作成者が広告から金銭的な利益を得る代償として、見知らぬ他人に有益なページを提供する。Amazon社も物販により利益を得る。他のアフィリエイトプログラムも同様。
  • ソーシャルブックマーク: ユーザーが持つブックマークを整理して利便性を上げた結果が、見知らぬ他人の利便性につながる。他のタグ付けサービスも同様。

そもそもは自分が得をするからという動機だが、結果として見知らぬ他人も得をしている。ユーザーが代償にしているのはPCやネットワークのリソース、ウェブページを作成する時間、ブックマークを整理する時間などだが、代償以上の利益を得られるとユーザーが判断した結果、上記のサービスは広まっている。ソフトウェアやサービスの品質の良さももちろん重要。

自分が便利になったり得をする結果として、見知らぬ他人も得をするモデルを他にも考えてみよう。