あちらの国の男と女

Oh My Newsより、私の夫は妬みの化身

私の夫は180cmを超える身長で体重が100kgほどもある大柄な男です。でも、体格と中身はずいぶんと違うようです。
数日前の事でした。その日に限って仕事が多く、職員全員が遅く帰りました。皆疲れて遅く帰ったせいか総務からメールが来ました。
「今日は本当にお疲れさまでした。週末はゆっくり休んで月曜日も明るく素敵な姿を期待します。素敵な総務」
こんな内容でした。メールを受けとったら何か返事をしないといけないですよね?それで、こんな返事を送りました。
「そうですね。あなたも今日は仕事が本当に多かったです。週末はゆっくり休んで、月曜日は眩しいくらいの殺人スマイルを見せてください ^^*」
会社では総務のニックネームが「殺人スマイル」です。そんなメールを送って、お風呂に入った後で夕飯を食べていると、その日に限って夫が珍しい言葉をかけてきました。
「どうした?気分が良くないみたいだ。どこか具合でも悪い?」
「いいえ、どうして?」
夫はつっけんどんに話しているわけではないですが、顔は不満げな表情で一杯でした。
「言ってごらん。ハニー。どうした?今日は会社で何か嫌な事でもあったのか?」
「ないと言ってるでしょ。しきりにどうしたの?誰かから聞いたの?」
夫の語気が少し荒くなってきました。
「そんなことないだろ?どうして、そんな声でわめくんだ?」
私も人間なので、やはり語気が少し荒くなりました。
「ないと言ってるのに、どうしてずっと聞くの?怒るわよ。どうして?何か気になることでもあるの?」
「何だって?気になることでもあるかって?」
私達夫婦は、その日は結局食事を最後まで取りませんでした。この男が何を気にしているのかまったく理解することができないまま、寝室でしばらく横になっていましたが、ちょっと我慢して話してみようと思い、居間にいる夫にそっと近付きました。
鼻にかかった甘い声で夫に話しかけました。
「ねぇ〜、どうしたの?ごめんね。私の具合が悪いんじゃないかと心配してくれたのね。私のせいで気分が悪くなったらごめんね。私に言いたいことがあるなら言ってみて。本当に大丈夫だから、ね?食事しよう、ね?」
それを聞いて、夫が慎重に話し始めました。
「会社の総務は男だろ?」
「うん、どうして?」
「その総務と親しいか?」
「知ってるの?どうして?」
「殺人スマイルがどうとかメール送っただろ?」
「なに?それで今まで機嫌が悪かったの?」
「いや、別にそのせいじゃないが」
「本当に馬鹿ね。殺人スマイルは、その総務のニックネームよ。私にだけメールを送ったんじゃなくて、全員に送ったの。私の名前が入ってなかったのを見れば分かるでしょ?あとね、その総務はあなたよりは背も小さいし、すごく変な人よ。私はそんな人は嫌い。」
夫は急に「そう?」といけずうずうしくにっこり笑うのではないですか。どうしましょうか?本当に総務が変な人なら、ニックネームが殺人スマイルなんかになるわけがありません。そうですよね?でも、夫よりもその総務がずっとハンサムだと正直に言ったら、夫がもっとふてくされるのは目に見えています。
男は年を取っても子供だという話は昔から何度も聞きましたが、こんなに図体が大きい夫の心があんなに狭いなんて。結局、ふてくされたせいで食べなかった夕食をその後で食べさせました。
離婚率が急増する近頃ですが、私はそれに寄与したくないので、このまま一緒に過ごし、息子をもう一人育てていると思いながら生きていくつもりです。