あちらの国でのウイルス対策ソフトのシェアから考える

韓国市場で65〜70%のシェアを占めるウイルス対策ソフト「V3ウイルスブロック」を開発および販売する安哲秀(アン・チョルス)研究所が過去最高実績を記録した。


安哲秀研究所は25日、今年上半期の売上げが175億3000万ウォン、営業利益63億7000万ウォン、純利益55億2000万ウォンをそれぞれ記録したと明らかにした。
これは昨年上半期に比べ、売上げは25.9%、営業利益は51.9%、純利益は37.3%増加したもので、会社設立以来、最大の実績となる。

会社の業績は好調だが、製品のウイルス検出性能は、あまり褒められたものではない。安哲秀研究所のV3ウイルスブロックとトレンドマイクロウイルスバスター2005でのウイルス検出性能の比較をhttp://www4.pf-x.net/~zot/vir/detect050714.htmlから引用する。

製品名 検出率
ウイルスバスター2005 91.45%
V3ウイルスブロック 46.04%

約2000個の検体によるテストで、V3はウイルスバスターの半分程度のウイルスしか検出できてない。しかし、検出できてないウイルスのほとんどは、名前すらろくに聞いた事がないマイナーなウイルスと思われるので、実際に遭遇する可能性はかなり低い。
ウイルス対策ソフトは国ごとのシェアの違いが大きく、日本ではトレンドマイクロが強いが、アメリカではノートンが強い。悲惨な検出率を示したV3は韓国では最強で、ヨーロッパではパンダが強いらしい。遭遇率が高いウイルスさえ一通り検出できれば実用上は「ほぼ」問題がなく、製品の性能とは直接の関係がない営業力や顧客サポート体制などで市場シェアが決まるために、国ごとのシェアの違いが大きいと考えられる。
大手のウイルス対策ソフトが軒並み検出できず、NOD32だけが唯一検出できたウイルスを食らって悲惨な目に会った価格.comのような例もあるが、その一件以降にNOD32の評判が急上昇したという話も特に見ないので、やはり検出性能はけっこうどうでもいいのだと思う。